
雨の器
◆第二句集 空蝉の雨の器となりにけり 第一句集「汽水」を出版して、十年が経った。その間の忘れられない出来事といえば、身近な人々が多く鬼籍に入ったことだろうか。共に語ることのできなくなった想い出は、消えることはないけれど、ただ寂しく漂うばかりだ。 「雨の器」には、人以外の生き物の句が多い。命の儚さへの思いを、彼らの短い生に託したのかもしれない。 (あとがきより) ◆収録作品紹介 端のみに音のありたる緑雨かな 顔寄せて私の息と百合の息 肩までを毛布に入れて夢を待つ 半畳の机仕事や二月尽 立子忌やけふ生れしごと句は光り 黴の香の緞帳閉ぢて楽日かな 細胞は死につつ生まれ春の月 新走りつまみを少し紙にのせ ひと日ごとひとを想ひて菊枕 何にでもなれる明日や初日記
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2025-12-02
- ページ数
- 204ページ
- ISBN
- 9784781417790
