
あったこともない人々
◆第五歌集 シリカゲル原野につもり一列に歩みをやめぬバックパッカー 何か心を揺すぶられることがあると、心の中にいちいち瞬間最大風速が吹く。 過去の体験や見たことや聞いたなかで、「ああ、今と同じような気持ちになったことがある。」という心当たりがいちどきに押し寄せてきて、(もちろん人前ではやらないが、たとえば車を運転しながら)滂沱滂沱ということがある。 (あとがきより) ◆収録作品より 泥棒と思った人を追いかけて!思っただけですぐ追いかけて! 考えることをしている暇もなく工作キットを順序よく出す カーテンに隠れ五階の窓に立つ遠い外からだけ見られたい 裾野から削っていっててっぺんの高さを保つ選挙公約 僕は今日、生まれてこない人たちを差別することなくつきあった 外国の海をまたいでやってきた巨大な足の裏を見上げる さっきから困った顔をされているあえて訳した枕詞に 差別って知らない人を遠巻きに見ることだろう(今見られてる) 分かり合う面倒くささに気づかないみたいな感じ議事録に誤字 質問を繰り返す人のてにをはがさっきと違う議論は進む
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2017-01-13
- ISBN
- 9784781409382
