
ぼくはヒドリと書いた。宮沢賢治
それは一つの論文から始まった。 なぜ︑最後の手帳が公開されても、「ヒデリ」は「ヒドリ」に訂正されることはなかったのか。手帳に記された「ヒドリ」の文字を高村光太郎はなぜ、「ヒデリ」と墨書したのか。手帳のなかから取り出された「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」は作者の意図とは無関係に日本で最も有名な詩の一つとして世界中を独り歩きしている。 果たして「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」の前後に書かれた曼荼羅とこの詩を切り離したことは正しかったのか。そして、本当に愛した人は誰だったのか。 我々は議論しなくてはならない。宮沢賢治が生きていたら、もしかすると今日、「ヒデリ」と伝えられているこのことを「ぼくはヒドリと書いた」と明確に否定するに違いないからだ。
- 出版社
- 海風社
- 発売日
- 2019-09-07
- ページ数
- 280ページ
- ISBN
- 9784876160600
