
千鳥足の弁証法
"神と悪魔が棲む国"ブラジルを探究する 批評家スーザン・ソンタグによって「ラテンアメリカ最高の作家だ」と評されたブラジルの文豪マシャード・ジ・アシス。 武田千香教授は、そのマシャードの最高傑作『ブラス・クーバスの死後の回想』の物語世界を、独自の視点で読み解き、その本質に迫ります。2014年FIFAワールドカップ、2016年リオデジャネイロ五輪と今後ますます注目される「ブラジル」を、人・社会・文化という観点からも考察した渾身の一冊です。 本書「プロローグ」より 『ブラス・クーバスの死後の回想』には、ブラジルの人・文化・社会を理解するための鍵となるある重要な公式が隠されている。このように書くと、何やらあまりに大胆で大げさに聞こえるかもしれないが、私にはその公式が、ブラジルの歴史や社会ばかりでなく、「ジェイチーニョ(jeitinho)」と称されるブラジル人の要領のよい社会遊泳術やブラジルのサッカーのスタイル、そしてカポエイラ(武芸)や音楽やカーニバルなど、ブラジルの代表的な文化事象の特質を見事に解き明かしてくれるように思うのだ。
- 出版社
- 東京外国語大学出版会
- 発売日
- 2013-03-15
- ページ数
- 325ページ
- ISBN
- 9784904575246
