
朝鮮人はあなたに呼びかけている
いま、日本社会で生活する感覚として、 “後ろから刺される”という緊張―― ソウル生まれ・東京育ちの著者が、自己との深淵な出会いと 自己解体を経て、訳者/役者として、言葉に耐えうる身体を求め獲得した、 あまりに研ぎ澄まされた言葉の集積による批評。 後ろから刺されるという身体感覚を歴史化し、私の中に内在する歴史の 中の死者を見つめる。 歴史上の朝鮮人の虐殺が、現在の北朝鮮バッシング、ヘイトスピーチに つながっている… ヘイトスピーチを越えて、非暴力であなたと向き合うための呼びかけ。 (本文より) ヘイトスピーチを吐き出す寸前の その瞬間にある間に 歴史と接続するか 歴史を逸脱するかのせめぎ合いがある カンコクジンと呼ぶか チョンと呼ぶか チョウセンジンと呼ぶか ほんとうはもっと激しい差別の暴力をその身体に孕むことができるのに 自ら怖気づいてしまう あなたわたしをチョウセンジンと呼べ そして 歴史と接続せよ 歴史を引き受けよこの負の歴史の命脈の上で わたしはあなたと非暴力で向き合いたい ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 光のなかからは、影のなかが見えない。影のなかからは、 光のなかも影のなかも見える。光が強ければ強いほど、光のなかからは 影のなかがほとんど見えないが、影のなかからは光のなかも影のなかもよく見える。 このエッセイは、韓国籍の朝鮮人である私が、運命として出会ってしまった 東アジアの影たちの、そのひとつひとつを拾い集めたものである。 影の東アジア。それはいわば、東アジアの陰画である。その意味で、 影の東アジアとは、東アジアのきわめてリアルな姿である。
- 出版社
- 彩流社
- 発売日
- 2014-11-19
- ページ数
- 301ページ
- ISBN
- 9784779120527
