チュコトカ始まりの旅 : ユーラシア大陸最東端へ
“私にとってその場所との出会いは、故・星野道夫の作品によるものだった。” 手には『旅をする木』と『森と氷河と鯨』、大切に預かったミーシャの家族写真が一枚。 2016年8月、たった一度の旅だった。 【あらすじ】 「チュコトカ」--そこはしばしば「地球の果て」とも称される極北の地で、星野道夫(1952-1996)が急逝する直前に訪れていた場所の一つである。 1996年夏、アラスカの対岸とも言えるチュコトカへの旅で、星野道夫はひときわ印象的な先住民の家族と出会い、その家族の写真を撮影し、日誌に残していた。しかし、一連の旅でまとめる予定であった作品は、彼の突然の逝去により、未完のまま歳月は過ぎていった。 それから20年後の2016年夏、偶然の積み重ねにより、ひとりの写真家が、星野の遺した一枚の家族写真を手に、チュコトカへ向かい、新たな旅を始めた。 きらめくツンドラ、吹きさらしの海獣の骨、先住民チュクチやエスキモーの人々の暮らし、そして星野が写したミーシャの一家との出会い……。 旅はまだ、続くはずだった。 2026年現在、アメリカとの国境に位置するチュコトカは、ロシア・ウクライナを巡る国際情勢の悪化により、事実上、渡航不可能となった。 かの地に生きる人々や自然を、写真と日誌で記録にとどめた、奇跡のような一冊。 【本文より】 “私の人生において、再びチュコト半島へ渡航することはもう難しいのかも知れない。しかし、もし本当に私が、この旅を続けることが叶わなくとも、いつか次の世代がこの小さな本を携え、チュコト半島へ向かうだろう。……いつか訪れるその時のためにこの本をここに記す。”--あとがき “民族の言語の存続とは、親から次の世代へと、たしかに受け継がれるか否かにかかっていますが、この本の旅もまた、途上であるからこそ、それを試されることでしょう。/日本では未だ知られぬチュコトカの、人々の暮らしを伝える作品が誕生したことを、心から喜びたいと思います。”--解説(言語学者・呉人徳司) 【用語について】 「チュコトカ」--ロシア語で「チュコト自治管区」のことを指す。面積は日本の面積のほぼ2倍。しばしばロシアのメディアから「地球の果て」などとも称される。東シベリア、チュクチ、ベーリングという三つの海に囲まれ、広大なツンドラ地帯がその大半を占めている。 「チュコト半島」--チュコト自治管区東端で、ユーラシア大陸最東端にある半島のことを指す。先住民「チュクチ」や「エスキモー」などが暮らしている。 【装丁・構成】 三村淳(星野道夫『長い旅の途上』、『旅をする木』、『森と氷河と鯨』、『星野道夫の仕事』全四巻など、生前より星野道夫作品の数々を手掛ける。その他、開高健『オーパ!』、岡本敏子編『岡本太郎の沖縄』など多数) まえがき 日誌 あとがき 解説(呉人徳司)
- 出版社
- 柏書房
- 発売日
- 2026-01-01
- ISBN
- 9784760156511
