団地の恋人 きみを待つ優しい時間
想乃は駆け出しの絵本作家。次作が決まらず悩んでいたある日、遠縁のおじさんから古い団地の一室を相続する。 その団地には小さなカフェがあり、異界から来たお姫さま・ユリアが明るく働いていた。 お魚のパンや、こけももジャムのクッキー、ミルクに浮かべたふわふわクリームパン。ユリアが作るお料理は、どこか不思議で、けれどあたたかく美味しい。 月に一度、満月の夜。ユリアはドレスを着ておめかしし、大好きな国王陛下をお迎えする。 自分たちの絵を描いてほしいと頼まれた想乃は、優しく恋しあう二人の姿を、スケッチブックに描き留めてゆく。あのとき団地で起こったこと、恋も友情も、涙も笑顔も、輝く奇跡も全部……。 現代のおとぎ話。 「わたしは待つのが辛くなったとき、ごはんやお菓子を作ると気持ちが落ち着くの。 あの人に作ってあげたい、この人に食べてほしい。そんなことを考えながらお鍋のスープをかきまぜたりパンを丸めたりしていると、だんだん楽しくなるのよ」 プロローグ 一話 お魚のパンと、スプーンで食べるメープルシロップのケーキ 二話 ぐるぐるパンとたまごのコーヒー 三話 酸っぱい穴あきパンと、ふわふわクリームパンにミルクを注いで 四話 殻つきのザリガニと、チーズのぷるぷるパイ 五話 かぼちゃのアコーディオンと、マジパン細工のお化け 六話 甘いおかゆと彼が遺したもの 最終話 お姫さまのケーキと白い夜 エピローグ 想乃の手記
- 出版社
- KADOKAWA
- ISBN
- 9784040765204
