母の手のひら : 歌集
写実的な手法や生活実感をベースにしながら、聴覚障害者がしばしば直面する現実への苛立ちや憤り、哀感の滲む作品は、いつも読みごたえがあった。 曜日わからぬ母の出したるゴミ袋提げて戻れり秋晴れの朝 話し言葉五分の一に約めゆく懸命に書く筆さきを追う 視力落ちて手話読み取れずなりおれる君を置きざりに談笑せしよ 母の声聞こえぬ吾は介護するにかえって楽だと姉は言いたり 文体はいささかクラシックであるかもしれないが、それが懐かしく、歌集一冊のたたずまいをしっかりしたものにしている。・・・真中朋久「解説」より
- 出版社
- 青磁社
- 発売日
- 2026-05-01
- ISBN
- 9784861986512
