
平山郁夫
平山郁夫が東京美術学校(現東京芸術大学)を卒業したのは1952年。 戦争に負けた日本は貧しく、まだ戦後の混乱が続いていた。 それに中学を広島で過ごした平山は 原爆症に悩まされることになった。 こういう困難が多かったからこそ、青年・平山郁夫は考え、悩み、 それを作品に反映できたのではないかと思う。 1959年に初期の代表作「仏教伝来」を発表している。 玄奘三蔵が困難な道のりをへてのインド行から唐への帰途、オアシスに憩う姿を描いたものである。 “画家としての本当のスタート”と自らいうように、仏教シリーズの始まりであった。 平山郁夫の真骨頂は1点1点の作品にあるというよりも、 全生涯をかけて制作した全作品が、まるで交響曲のように奏でる壮大なロマンにあると思う。 そういう意味で新しいタイプの画家であった。 2009年83歳での死は惜しみても余りある。 草薙奈津子(美術評論家) -序文より抜粋-
- 出版社
- 青幻舎
- 発売日
- 2011-01-01
- ページ数
- 32ページ
- ISBN
- 9784861522932
