
被子植物の起源と初期進化
「被子植物の起源と初期進化」という研究テーマは,これまで「Abominable mystery=忌まわしき謎」とされ,進化論で有名なダーウィンでさえ敬遠してきた。その主な理由は,植物化石のデータが少なく,被子植物の「失われた鎖」を見つけることは容易ではなかったことによるものである。しかし最近,この難問に対して非常に興味深い解決の糸口を見出され,研究は新しい展開を見せている。その1つは,分子遺伝学的手法による研究成果である。もう1つの糸口は,白亜紀の地層から3次元的構造が保存されたままの状態で次々と発見されている被子植物の花,果実や種子などの小型化石の研究である。今まさに,白亜紀に生育していた被子植物の「失われた鎖」がよみがえろうとしているのである。 本書では,陸上植物の進化の歴史をふまえて,被子植物の起源と初期進化について私を含めた最新の研究成果をもとに花粉や植物化石という視点から解き明かされつつある白亜紀における被子植物始原群の進化の過程を紹介している。
- 出版社
- 北海道大学出版会
- 発売日
- 2006-02-25
- ページ数
- 526ページ
- ISBN
- 9784832981317
