
細川幽斎 戦塵の中の学芸
戦乱の世を疾駆した武家文化人、 細川幽斎(一五三四〜一六一〇) のすべてを再検証し、新たな幽斎像を提示する書。 没後400年記念出版。 付・細川幽斎年譜。 【はじめにより】 慶長十五(一六一〇)年、当代きっての武家文化人として世評の高かった細川幽斎は、静かに京都三条の自邸で息をひきとった。幾つかの記録に、その死のみが伝えられる、ひっそりとした最期であったようだ。 以来、永らく文学史において幽斎は、微妙なニュアンスを含んだ「古今伝受の歌人」であり続けた。だが、没後四百年に近づく中で、この歌人について多くの知見が学界にもたらされるようになった。 古今伝受研究もその実態の精密な考証が進み、また一方、幽斎その人についても、近世和歌への連続から見た新たな和歌史上の定位がなされつつある。それにともない、逆に未着手の課題が顕在化してきた。機は熟したといってよい。 幽斎像の再検証。まず手をつけるべきは、「文」の面「武」の面の統一的把握。そのためには、文学研究、歴史学研究双方からのアプローチが必須だ。その方法として、鳥瞰的な把握と、多様な具体的諸側面からの照射という二つの視点をとる。そこに幽斎は新たな息吹をえて蘇るはずだ。 学界は無論のこと、広く戦国時代の文化に関心を寄せる読者に向け、ここに新たな躍動する幽斎像を提示することとなろう。
- 出版社
- 笠間書院
- 発売日
- 2010-10-29
- ページ数
- 400ページ
- ISBN
- 9784305705273
