
一花一虫
◆第一句集 頑丈である。そしてときに繊細で華奢なたたずまいを見せる。 板倉ケンタの作品を前に私はしばし立ちすくむ。なぜなら、読者に挑み、読者をときに選ぶからだ。しかし、もしもそれがケンタの望むところなら、いいだろう、私は受けて立たねばならない。 帯・櫂未知子 跋・佐藤郁良/解説・村上鞆彦 ◆筏井遙抄出七句 七人が水着に変はる昼の樹下 つつぬけに花見えてゐる飼屋かな 松手入うしろに暗い玉葱が 氷上と氷中同じ木のたましひ ある日こまやかに木犀見ゆるなり 海風に失ひながら葺き替ふる はぐれ引くあれは貴方のやうな鶴 ◆岩田奎抄出七句 雪よりもつめたき雨にかはりけり 颱風が来るよ野鼠街鼠 絶えず強光やはらかな蟻の中までも 此処は死者ばかり名残の百日紅 今もある硬くて寒いとしまえん 永遠に絶えぬ瀧音のなか眠る 水辺さはやかに枯れてゐるのは誰 装画:沼尾将之
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2025-09-08
- ページ数
- 180ページ
- ISBN
- 9784781417592
