
イシュア記 新約聖書物語
前著『ヨレハ記 旧約聖書物語』に続いて、作家小川国夫が終生をかけて書き継ぎ、その多くが未刊のままに残された「新約聖書物語」を集成する。 ここに、独自の福音書の読み込みをもってする、キリスト教文学史に類例のないイエス像が刻み出された。 イシュア、〈あの人〉、そしてユニア……神の働きが臨み、人間の世界に生まれた三つの渦潮。すべてを受け入れる者、疑いにその心を苛む者、嫉妬に身を焼く者、それぞれの全存在を賭けた闘いが、水晶に彫られたレリーフのように硬質な光沢を放つ。 宗教は、キリスト教は、なぜ発生し、人をどこへ連れて行こうとするのか。一人の作家に抱かれた問いが、その生涯においてどのように変奏され、湧出と曲折と逸脱の痕跡を残したか。ここにあるのは、人間の条件をめぐる神と人との対話であり、血で書かれた小川国夫の福音書である。
- 出版社
- ぷねうま舎
- 発売日
- 2014-11-21
- ISBN
- 9784906791392
