
地震と文学
災厄と共に生きていくために、文学をどう読むのか。 災厄とはそもそも何なのか。災厄の前に現れ出る自己とは何か。災厄そのものの淵源を大きく問いつつ、村上春樹、小田実等の震災文学から根源的に迫ろうとする。また、災厄の痕跡として、関東大震災直下の連載小説を読み解きながら、現在を照らす。 現代における「災厄の起源」に思考の照準を当て、災厄と共に生きてゆくための言葉をもう一度織り直し、自らの新しい言葉を獲得してゆこうとする、野心的な書。 【災厄がもたらした人間と文化社会の変容という因果論的な問題構成を一端留保し、災厄を災厄としてあらしめる諸力の構成、あるいは、「災厄」の顕現と同時に出来する、それをそれとして把握する「わたし」の存在や、そうした複数の「わたし」の関わりについて、その根源から考えてみることが重要なのだ。それは取りも直さず、災厄の境界と帰属、災厄と「関わる」、あるいは「関わらない」、「わたし」と「わたしたち」の自明性を問うことにも繋がるはずである。】…序章「「災厄」を引き起こした「わたし」とは何者か」より
- 出版社
- 笠間書院
- 発売日
- 2016-08-30
- ISBN
- 9784305708106
