
幾何学模様
◆第二句集 桜蕊降るアンチテーゼの嵩ほど 俳句を始めて十四年、まだ俳句がよくわからないという私の疑問に、池田澄子先生は、「私もわかりません。わからないから、俳句をしているのです。」と、答えてくださいました。わからないから、俳句をしている。この御言葉に、私は大いに納得し、大いに励まされました。 (あとがき) ◆自選十五句 只ならぬ世に男の子裸の子 少年にアメリカの匂ひ夜のプール 京に飽く京のお人と無月かな エプロンの幾何学模様レモン切る 永き日のタカアシガニの一歩かな ベルリンの壁消ゆどつと西日濃し クロがゐた伊勢湾台風父がゐた 鶏頭と並んで立つて意見言ふ ただ灼けて有刺鉄線続きをり 広島やぴたりと止みぬ蝉時雨 十二月八日来し方を問ふ机 寒紅を引くきつちりときつぱりと 桜蕊降るアンチテーゼの嵩ほど 鯉幟のなかの青空折り畳む 禍や会つておかねばならぬ朱夏
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2021-01-28
- ISBN
- 9784781413310
