
機械仕掛けの音楽誌
歌え、人造のミューズよ。 科学技術と芸術のはざまに消えた 「音楽の錬金術師たち」の系譜をたどる もうひとつの音楽史。 歯車は奏で、幻想は踊る。 いざ、音楽と機巧(からくり)の迷宮へ! ラッパが響きわたる人工洞窟、 海と怪物のスペクタクル、 即興演奏を記録する機械、 虹色を奏でるクラヴサン、 フルートを吹く自動人形、 天使の楽器アルモニカ、 香りをふりまくオルガン…… 命なき楽士たちがつづる500年の音楽史。 「音楽は人の手が楽器を鳴らして演奏するもの、人が声を発して歌うものだ。そういう常識の片隅でわたしたちは、機械じたいが鳴らす音楽に心惹かれずにはいられない」 ──「前口上 機械が歌をうたうとき」より 「人を驚かせたいという願望が自動人形や自動演奏機械、早変わりする舞台装置を生み出した。アルモニカの音色、ファンタスマゴリーの誘惑、色と音と香りの共鳴、そこには人間の認識にたいする科学の夢がある。あるいは、消えてしまう即興演奏を書きとめようとする試み、これはレコーディング、そして現代の打ち込み式の楽譜入力で可能になった。しかし、その思想・願望は18世紀には生まれ、それほど現代とは異ならないかたちで提案されていた。ただその当時の技術が追いついていなかっただけである」 ──「あとがき」より 『月刊アルテス』好評連載、待望の書籍化! 前口上|機械が歌をうたうとき 1|プラトリーノの秘密の洞窟 2|天界から地獄まで 3|アルチンボルドのひそかな企み 4|波間の怪物 5|エステ荘の水の戯れ 6|キルヒャー師を訪ねて 7|太鼓よとどろけ! 8|失われた音をもとめて 9|虹色クラヴサン 10|鼓笛童子春壽(こてきどうじはるのことほぎ) 11|レントゲン式収納術 12|王妃に捧げるオートマタ 13|蠟人形師の自動オルガン 14|天使の音色──グラス・ハーモニカ興亡史(1) 15|デイヴィス姉妹──グラス・ハーモニカ興亡史(2) 16|天使のごときマリアンネ──グラス・ハーモニカ興亡史(3) 17|メトロノームとパンハルモニコン 18|狼谷は危険な香り 19|幽霊たちが歩きだす 20|バレリーナ幻想 21|香りの音階 22|純粋な響きをもとめて──ブルックナーと田中正平 23|自動ピアノのための練習曲 24|音楽の小箱 あとがき
- 出版社
- アルテスパブリッシング
- 発売日
- 2025-08-26
- ページ数
- 272ページ
- ISBN
- 9784865593204
