
軋
◆第二句集 晒さるる鹿の目青し冬の川 猟夫に撃たれ、猟夫小屋の前の小川に晒される鹿。その目は閉じられることもなく、天使の現れるのを待っているかのようだ。目が青いのは、木々の緑が映っている所為であろうか。いや、まだ若い鹿なのであろう。 鹿に注がれる作者の慈しむようなやさしい眼差しが印象的である。 帯・坂口緑志 ◆坂口緑志抄出十句 偵察のやうに流氷接近す をちこちに地球の軋み返り花 ジョンレノン流るる茶房年惜しむ 春寒や下戸の杜氏の五感澄む 蛇消えて気配を残す野面積 木偶の髪を梳いて出を待つ浦祭 神馬ゆく菊の御紋の花衣 極楽へ誘うてをりぬ紅蜀葵 長編の小説閉づる夜長かな 翻すコートや三島由紀夫ゆく
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2026-02-12
- ページ数
- 166ページ
- ISBN
- 9784781417998
