
鼓動
◆第五句集 日のさして後ろ姿の夕時雨 去り際に日がさした時雨に後ろ姿を見た。その把握が秀抜。 こうした作品が示すように、どの句にも内面の投影があり、著者の昨今の心境をうかがわせる味わい深い一巻である。 (帯より・鷹羽狩行) ◆片山由美子選 七夕や磨れば一体墨すずり 驚きの手足のままに鵙の贄 月光や白さざんくわのこぼれ継ぎ 雨音のごとき川音鮎下る 凍鶴の時を封じてゐたりけり 春愁や写真のなかのひと昔 綿虫やこの世にうかと紛れ込み しろがねの鈴振るごとく山清水 時惜しむごとくゆつくり散るさくら 美しき空取り戻す白雨かな 夫に息吹きかけてゐる雪女郎 終の息冬青空に吸はれゆき
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2021-02-25
- ISBN
- 9784781413303
