
凍れる美学
たぐひなき美遊の世界 古今に冠絶した稀世の手練れ、藤原定家の「歌作り」を、 和歌史という限定されたコンテクストから解き放ち、 東西古典詩というより広い世界へと導く――新しい和歌論。 藤原定家は「本歌取り」という詠歌の技法を詩作の原理として、八〇年に及ぶその生涯で、実に四二〇〇首余りの歌を詠んだ。 その高度な芸術的達成は、ヘレニズム時代のギリシア詩、ローマの詩、ルネッサンスのラテン語詩、一六世紀のプレイヤード派の詩、中国古典詩など、東西の中世詩・古典詩の中でも洗練を極め、一頂点をなすものである。 王朝文化が終焉を迎えた中世初期という暗黒の時代に、天才詩人・定家とその一派の歌人たちは、いかにしてあの象徴性を帯び、形而上的なまでの詩的宇宙を創り上げたのか。 「定家という詩人は、一二世紀から一三世紀にかけての東西古典詩史の上で、最もまばゆい光芒を放った詩人ではなかろうか。」(本書より)
- 出版社
- 東京外国語大学出版会
- 発売日
- 2025-03-27
- ページ数
- 312ページ
- ISBN
- 9784910635156
