
空腹のアイルランド
19世紀なかば、ジャガイモの凶作に端を発し、100万人の餓死と100万人の国外流出をもたらしたアイルランド大飢饉。この災厄はジョイスの作品でどのように表象されているのか。『ダブリンの市民』『若き日の芸術家の肖像』『ユリシーズ』を詳細に分析し、ジョイスが秘めていた政治的意思を読む。 序章 ジェイムズ・ジョイスとアイルランド大飢饉 第一章 マンガンとミッチェルを読むジョイスを読むーー大飢饉人災説の系譜とテクストを介した追体験 第二章 ポリー・ムーニー、あるいは謀略のタイピストーー「下宿屋」における大飢饉後の晩婚化社会と女性の就労 第三章 「ベルファストの贈り物」、あるいは大飢饉後のアイルランドにおける「魔女」--「土」の政治性を再考する 第四章 その名を語りえぬ亡霊ーー「死者たち」に取り憑く大飢饉の記憶 第五章 傷ついたジャガイモ、あるいはテクストの政治的無意識ーー『若き日の芸術家の肖像』と『次こそ必ず』における大飢饉表象の比較を通して 第六章 「硬く、黒く、しなびたジャガイモ」の政治学ーーポスト大飢饉小説としての『ユリシーズ』 終章 空腹のアイルランドとジョイスの渇望
- 出版社
- 春風社
- 発売日
- 2026-02-25
- ページ数
- 200ページ
- ISBN
- 9784868161073
