
句作り千夜一夜
◆「少年誕生」より 少年は小学校時代から俳句が作りたかった。でも父がすでに著名な俳人であったことが、この少年の望みを真っ向から妨げていた。少年は子供にしては異様なほど負けん気が強かった。父に習っていた囲碁でも、負けると「なんで子供に勝つんや」と怒って、碁石を庭にぶっつけたりした。そして自分でそういう自分を怖れるようになった。もし俳句を作って父に負けたら─負けるのが当り前なのだが、家庭内で一悶着起るのは明らかであった。少年は家人に隠れてこそこそと俳句らしきものを書き止めた。
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2012-04-01
- ページ数
- 234ページ
- ISBN
- 9784781404561
