
宮廷食材・ネットワーク・王権
アッバース朝とオスマン朝という2つの世界帝国の狭間にあって、13世紀のイスラーム世界では多様な王朝が勃興していた。その1つであるラスール朝は、紅海とインド洋を結ぶアラビア半島南西部のイエメンを、200年を超えて統治したことで知られる。 本書では、近年になってイエメンで発見された13世紀のラスール朝行政文書集『知識の光』記載の宮廷食材に着目し、その種類や広範囲にわたる供給元、食材の手配や調理、宴席に携わった人々と機関などの宮廷食材をめぐる様々な側面を、『大旅行記』をはじめとした同時代のイスラーム世界の歴史史料との比較・検討をもとに明らかにする。 以上の考察を通して、世界帝国の間をつなぐようにして存続したラスール朝という地方王朝の前半期の姿が、ネットワークと王権が交錯するところに描き出されよう。
- 出版社
- 九州大学出版会
- 発売日
- 2017-03-28
- ISBN
- 9784798502007
