
万の枝
◆第四句集 つゆけしや夕暮れの声捨てに出て 『万の枝』は、『草の王』以後九年間の作品を収めた第四句集である。 新型コロナウイルス感染症の世界的流行を経て、ようやく対面での句会が復活し、「椋」誌もこの秋には創刊二十周年を迎える。私も、この句集を一つの区切りとしたかった。 (あとがきより) ◆収録作品 大瑠璃のこゑに縛されゆくごとし 畝高く立ててあり春待つてをり 碧玉の一湖も秋に入りにけり 足組んで春が深しと思ひをり みそはぎや胸に棲むこゑひとつある しろだもの花よ冬日のやうな花 たとふれば炎心の色夏果つる とうすみの影より淡き翅を閉づ 尾で応ふる猫よ十二月の窓よ 凍つるよをみひらきしまま逝きにけり 秋水に幼な子の名を訊きかへす 藪漕ぎの陽春の野に出でにけり 昔日や鏡の奥に蜘蛛が住み ほうたるを待つ横顔に加はりぬ 秋入日束の間稜線を溢れ
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2024-09-16
- ページ数
- 202ページ
- ISBN
- 9784781416861
