
マルチナショナル連邦制
2014年、イギリスではスコットランドの独立を問う投票があり、スペインでもカタルーニャの独立に向けての強い動きがあった。本書はそれらと深く関わるテーマを扱い、国際社会でいまだ強い支持のある国民国家という理念への対案として、マルチナショナル連邦制を提案している。20年前の1995年、ケベックはカナダからの主権獲得を目指した。それは実現しなかったが、それよりも遥か前から独自のアイデンティティを備えた国内ネイションとしての自己主張を続けてきた。それゆえ、ケベックはスコットランドやカタルーニャの独立運動の先駆けであった。1960年代以降のケベックの歴史は、独自性を訴えるケベックとカナダ国民の均質性を追求しようとする連邦政府およびケベック外のカナダのせめぎ合いと見ることもできる。その歴史の考察に立ち、そしてスコットランドやカタルーニャの現状を分析して、連邦国家が分裂することなくよりよい未来を目指すには、国民国家の理念を放棄してマルチナショナル連邦制を採用するべきだと著者は主張している。そして、マルチナショナル連邦制の根拠について、近代以前にまで遡り、そのあるべき姿について詳述している。これは米国型の連邦制とは違う行き方の提言なのである。
- 出版社
- 彩流社
- 発売日
- 2015-02-25
- ページ数
- 300ページ
- ISBN
- 9784779120695
