
松の位置
◆第一句集 オルゴール鳴らして買はず霧の街 登さんの俳句は「蘭」の抒情性を汲みつつ、幅広い経験、知見が盛り込まれた作風。 一方で、いわば庶民的な視線で、身辺の機微を掬い、人間の細かな仕草や場面を切取る巧みさも併せ持つ。 跋より・しなだしん ◆自選十五句 珈琲の花は真つ白夏来る 弔問の子らの整列梅真白 鳥を観る窓に顔ある雨水かな 一本の桜の下に全社員 深々と掛けて暮春のジャズ喫茶 打水やみんな忘れてなつかしき 空つ風母の名前のスナックに 公魚を中村伸郎のやうに喰ふ 列車発つ遠郭公の遠きまま 毒茸のしづかに虫に食はれをり 冬の灯やモデルルームに一家族 松の位置気になつてきし雪見酒 朝寝して隣のショパン聴かさるる 豆飯をよろこび祖母をよろこばす 木の扉あけて聖夜のジャズ放つ
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2025-04-15
- ページ数
- 172ページ
- ISBN
- 9784781417288
