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鯰絵と歌川派の浮世絵

鯰絵と歌川派の浮世絵

石隈聡美

生まれるべくして生まれた、 見ても読んでも楽しい作品群、鯰絵。 当時の錦絵出版界を牽引していた歌川派。 歌川派の絵師の時事的錦絵作品群のなかに鯰絵を位置づけると、何がわかるのか。美術史の中に置き直し、検討し直した、初めての総合的研究。 幕末の安政江戸地震(1855)のあと、地震を起こす原因と捉えられた鯰が描かれた錦絵、鯰絵が大流行し、災害報道を主とするかわら版とともに広まった。 その鯰絵とはどういう作品群で、どのような背景があったのか。 第一章では絵師・板元・法令の三つの視点から当時の出版背景を解き明かし、第二章で当時の資料から鯰絵の定義について検討する。第三章では、201点の鯰絵について基本データを表に示し、そこからモチーフ分析を行う。第四章では、鯰絵と歌舞伎と題し、鯰絵中に描かれた歌舞伎の演目について読み解き、第五章では、鯰絵以前、鯰絵流行期間中、鯰絵以後と時期を分け、鯰絵と錦絵の影響関係を見ていき、鯰絵がその後の浮世絵出版に与えた影響を考察する。 【本研究では、歌川派が台頭していた当時の浮世絵出版界の活況と、天保の改革による出版体制の変化が浮世絵の主題に与えた影響、流行した作例から、江戸地震以前に木版画という大量出版メディアにおいて時事報道の土壌が形成され、鯰絵が生まれるべくして生まれ、人々に求められて流行した作品群であったことを浮世絵史の中で示していくことを目的とする。歌川派の描いてきた役者絵や戯画、そして時事報道に関する錦絵にみられる要素が、鯰絵中にどう表れたか、そして鯰絵は通常の錦絵の主題にどのような影響を与えていったのかを分析し、考察する。明治にまで受け継がれる浮世絵文化と歌川派の絵師たちの活動の一端を明らかにすることで、歌川派研究そして浮世絵研究に寄与することを目指す。】

出版社
文学通信
発売日
2026-03-10
ページ数
312ページ
ISBN
9784867661253

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