
日本人の文革認識
中国の文化大革命(一九六六年に始まる)は、当初は「魂にふれる革命」として発動され、日本でも多くの関心を呼びました。しかしそれが終結すると、中国共産党の「歴史決議」によって「十年の動乱」として全否定されました。これは中国の若者たちにとってはもちろん悲劇でしたが、文革に共鳴した日本人の心にも大きな傷跡を残しました。 本書は、前著『文化大革命の記憶と忘却』につづいて、「記憶と忘却」の問題系として、文革が日本人にあたえた影響をたどります。文革に共鳴して中国に渡り、運動に参加し、帰国後は「文革礼賛」の発言をし、日中貿易・観光などの活動をしてきた人々。彼らへのインタビューを通して、人々はどのように「変わったか」、あるいは「変わらぬ正しさ」を持ち続けたかを問い、「変節」や「転向」としてネガティヴにしか語られてこなかったこの間の事情を「翻身」という鍵概念で掬い取ろうとする意欲的な力作です。これは福島原発事故をめぐっても通用する問題意識といえましょう。
- 出版社
- 新曜社
- 発売日
- 2014-01-15
- ページ数
- 457ページ
- ISBN
- 9784788513631
