次、何読む? nextbook.jp
ログイン

本ページはアフィリエイト広告を含みます

日本漁業の200年

日本漁業の200年

片岡千賀之, 編集小岩信竹, 編集伊藤康宏, 編集末田智樹, 編集今川恵, 編集松浦勉, 編集ほか

本書は主として近世後期から近現代にかけての日本漁業史を概観することを目指している。日本では、古くから水産物利用が盛んであったことはよく知られているが、近現代においても、漁業は日本社会とりわけ地域社会のなかで重要な位置を占めていた。しかし、漁業のあり方は、明治維新期や戦後改革期をはじめとする社会体制の変革期に大きく変わった。なお、戦前と戦後を隔てる大きな変化の1つは、戦後は植民地・半植民地の水産業を失ったことである。また、社会体制の変革期の合間においても、漁業の仕組みはしばしば変わることがあった。このような漁業の変遷を、近年の研究成果を踏まえてわかりやすく叙述し、漁業に関心を持つ人々に届けたいというのが本書を刊行する目的である。  本書は近世末期から叙述がなされているが、これは近現代漁業の出発点を確認するためであり、近現代を理解する上での最低限の歴史的前提条件に関する内容を記した。また、第二次世界大戦後の漁業について多くのページを充てているが、これは先行する漁業の通史にこの部分の叙述が少なく、近現代全体を通観するためには現代部分を歴史的に位置づける必要があると考えたためである。また、漁業史の十分な理解のためには、漁村の民俗の理解が不可欠であるとの考えから、民俗に関する章を設けている。  本書はまた、通史的な各章に加えて、やや専門的な諸問題について、特論を設けている。これらの特論は、読者が漁業について自ら研究を進めたいと考える際の手引きになるものと考えている。  今日、日本漁業は大きな転換点を迎えている。第二次世界大戦後の漁業制度改革から70余年を経て、漁業法や水産業協同組合法の改正が進められている。その背景には日本漁業を取り巻く社会情勢の変化がある。そうした変化には国内的のみならず、国際的な情勢の変化もある。1980年代においては世界一の漁獲量を誇っていた日本は、2017年のデータではアジアにおいて、中国、インドネシア、インド、ベトナムよりも漁獲量が少なく、アジアでも漁業を行うロシアよりも下位にある(平成30年度『水産白書』)。  一方で今日の日本は水産物の輸入量が多く、2017年の輸入量は国内の漁獲量を超えている(同上)。水産物利用において、輸入貿易は漁業と並ぶ重要な手段となっている。日本漁業のこのような現状が如何にしてもたらされたのか、今後の日本漁業はどこへ向かうのか、このような現代的問題を念頭に置きつつ、近現代の日本漁業史を振り返ってみることは十分意義があると考える。

出版社
北斗書房
発売日
2022-04-15
ページ数
308ページ
ISBN
9784892900600

詳細はこちらから

Amazonで見る

シェアする

みんなのレビュー

まだ評価がありません。

まだレビューがありません。