オーストラリア文学の地平 : 「主体の消滅」を問う
グローバル化が進行する中、国民国家を背景とした小説は大きく変容している。本書はその最先端を歩む、アボリジナルを含む多文化社会オーストラリアの文学に即し、作者という「主体の消滅」を検証する。英語圏文学を超え世界文学の新しい可能性を探る野心作。 まえがき 第1章 ポストコロニアル作家 はじめに 1 祖国を失った作家たち サルマン・ラシュディとV・S・ナイポール 2 祖国を離れた作家たち ブライアン・カストロとカズオ・イシグロ おわりに 第2章 文学にみる他者性:日本とオーストラリアの場合 はじめに 1 オーストラリア作家が描くオーストラリアの日本人 2 日本作家が描くオーストラリアの日本人 おわりに 第3章 他者との融合:リチャード・フラナガンと松尾芭蕉 はじめに 1 捕虜収容所と泰緬鉄道 2 ドリゴ・エヴァンズの愛の物語 3 The Narrow Road to the Deep Northと『おくのほそ道』 おわりに 第4章 無国籍作家ナム・リーの短編小説集『ボート』 はじめに 1 ナム・リーの文学的挑戦 2 エスニシティとフィクション 3 他者を他者の視点で描く おわりに 第5章 主体の消滅〈その1〉:パトリック・ホワイトの後期の小説の場合 はじめに 1 『二度生まれ変わる』における主体の消滅 2 『多くの記憶が一つになる』における主体の消滅 おわりに 第6章 主体の消滅〈その2〉:J・M・クッツェーの『スローマン』の場合 はじめに 1 『スローマン』における主体の消滅 2 エリザベス・コステロの役割 3 クッツェーと主体の消滅 おわりに 第7章 主体の消滅〈その3〉:ミシェル・ド・クレッツァーの『旅の問いかけ』の場合 はじめに 1 移動する主人公《ローラの旅》 2 移動する主人公《ラヴィの旅》 3 ヴァーチャルな世界への旅 4 気候変動と主体の消滅 おわりに 第8章 近代小説と物語:アレクシス・ライトの『地平線の叙事詩』 はじめに 1 アボリジナル文学と叙事詩 2 近代小説と物語 おわりに あとがき 索引(人名・事項)
- 出版社
- 北海道大学出版会
- 発売日
- 2025-05-01
- ISBN
- 9784832969063
