
オートエスノグラフィーとしてのケアとは何か
ケアの実践者がもっとも強く、深く求めるべきは、人々のこころの平和である。ジャーナリスト岡村昭彦に出会い、精神科臨床へと導かれた著者の経験の全体、ケアの真実、患者たちの記憶の群れを詩的オートエスノグラフィーとして再構成し、表現する試み。 はじめに──この人のケアとこころの平和のために 第1章 なぜオートエスノグラフィーなのか 1 オートエスノグラフィーとは 2 「ケアとは何か」を問うために─岡村昭彦とケア 第2章 「ケアとは何か」にたどり着くまでのオートエスノグラフィー 1 岡村昭彦との「衝突」まで 2 岡村昭彦とはどういう人か? 3 岡村昭彦の衝撃とは (1)傷ついた人々の現場に共に身を置くこと (2)一人ひとりへの鋭敏な感受性をもつこと (3)独自の歴史観をもつ (4)独自の世界観をもつ 4 岡村昭彦との「衝突」その後 第3章 「ケアとは何か」に関わる諸概念について 1 こころの平和の希求 2 農業としてのケア 3 経験や語りとしての病い 4 訪ねていくケア 5 ベッドサイドは地域である 6 引き受けるケア、感じるケア 7 弱さのための強さ 8 非対象論的ケア 9 しみじみと語るケア 10 パレーシアとしての病者の語り 第4章 詩的なオートエスノグラフィーの試み 1 なぜ詩的なオートエスノグラフィーなのか? 2 長い時間の発酵としての詩的なオートエスノグラフィー 3 詩集『病棟』への試行錯誤とケアを問う方法 第5章 詩集『病棟』の再構成と「ケアとは何か」 *以下、各詩の間に「ケアとは何か」に関わる補遺を記載 夜桜 ドアノブ 蛇口 ナースステイション 水 メモ テレホンカード スプーン 流し台 雨 拘束具 消防士 りす 木漏れ日 魚 花見 車椅子 花の悲しみ 朝 給湯器 暗い影 雨音 ファミレス ある天使 机 温室 待合室 交代 木造の病棟 おわりに──生きていることのオートエスノグラフィーへ 謝辞 文献と注 カバー絵=椎名絢 装幀=新曜社デザイン室
- 出版社
- 新曜社
- 発売日
- 2026-03-09
- ページ数
- 228ページ
- ISBN
- 9784788519169
