
ぱざぱ あるいは文学時空間の迷路
この書の軸心をなすひとつの着眼とはーー空間はそこにあり、時間もまたあるもの。誰もがそう考える。しかし、空間も時間も、そもそもが「ある」ものではなく「なる」もの。「なる」はずの対象を「ある」と錯覚させるのが言語の持つトリック。そのトリックのために、様々なゆがみやひずみが生まれ、今まで、文学が、文学史が狭苦しい時空間に閉じこめられてきたのではないか。本書には、モーリャック、バルト=ピカール論争、文学史考、そして寺山修司と、一見ばらばらな素材がならぶ。だが、文学の時空間に向けた論者の鋭い視線が、そうした素材を一点に向かって巧みに収束させていく。論文の重厚さ、評論文の軽妙さ、それに実際の講義をベースとした口語体の柔らかさ。多様な文体の競演も見のがせない。
- 出版社
- 駿河台出版社
- 発売日
- 2003-02-21
- ページ数
- 204ページ
- ISBN
- 9784411022127
