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ロマンス語再帰代名詞の研究

ロマンス語再帰代名詞の研究

藤田健

●本書の特徴  本書は著者の十数年にわたる研究を集成したものである。本書では,現在の統語論において中心的な位置を占めている言語理論の一つである生成文法の枠組を用いて,ロマンス諸語に属するフランス語・スペイン語・イタリア語の再帰代名詞クリティックに関する言語事情を対照的に分析した。  再帰代名詞クリティックの機能のなかで統語論において分析されるべきものとして再帰用法、受動用法、非人称用法の三つを取り上げた。非対格用法を分析対象としないのは、この機能が統語論ではなく語嚢意味論のレベルで分析すべきものであるという理由による。  再帰用法については、特に重要な現象とし七使役構文における分布と複合時制における過去分詞の一致現象についてフランス語を中心に論じた。受動用法においては、スペイン語における名詞句の格標示の問題、フランス語における時制上の制約の問題並びにイタリア語を中心とした複合時制における過去分詞の一敦現象について論じた。非人称用法においては、イタリア語を中心にその続語的分布と複合時制における過去分詞の一敦現象について論じた。これらの議論を通じ、3言語において再帰代名詞クリティックが統語論上どのように特徴づけられるかを議論した。  本書では,ロマンス語における再帰代名詞クリティックという統語論において重要な位置を占める現象を,新たな言語事実を提示すると同時に,従来の研究にはない独自の視点を展開した。この研究成果は再帰代名詞にとどまらず代名詞クリティック全体につながるものであり,今後のロマンス語統語論研究の発展に大いに貢献するものである。

出版社
北海道大学出版会
発売日
2010-03-20
ページ数
254ページ
ISBN
9784832967250

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