さまようクマ、変わる森 正しく怖がるための新しい教科書
2025年、クマによる人身被害は過去最悪を記録し、「今年の漢字」には「熊」が選ばれた。連日の危機感を煽る報道に社会が怯える中、問われているのは「ただの駆除」ではなく「人間とクマの共存の道」である。本書は、クマが人里へ現れるようになった背景にある、過疎化や環境変化といった複雑な事情を解き明かし、生態系の頂点であるクマと人間がどう向き合い、いかにして安全を守るべきか。日本が直面するこの緊急課題に対し、現実的な共生への指針を提示する。巻末にクマと向き合うための実践的な対策ガイドを収録。 特集「実践 自分でできるクマ対策」 ・クマに出会わないための事前の防衛策 ・これに気づいたら要注意! ・それでもクマに出会ってしまったら ほか Chapter1 なぜ日本はクマに揺れているのか? ・数字で見るクマの脅威 ・2025年度 クマによる死亡者発生事件簿ファイル集 ・人身被害以外の被害 農業編/林業編/畜産業&水産業編 ほか Chapter2 クマを知る ・世界のクマの種類と主な生息地 ・クマの身体能力ポテンシャル 体格/視力・嗅覚・聴覚/腕力・走力・泳力/知力・性格 ・クマの冬眠のメカニズム ほか Chapter3 日本におけるクマとヒトの歴史 ・アイヌ民族とクマ ・マタギとクマ ・語り継がれるクマ被害 ほか Chapter4 クマはなぜ森を出るのか? ・ドングリの豊凶がきっかけで変わるクマたちの行動 ・進行する里地里山の荒廃 ・保護政策による個体数の増加とハンター減少の影響 ほか Chapter5 人とクマの攻防最前線ー被害と対策のリアル ・導入された緊急銃猟と実例 ・自衛隊派遣の実績 ・クマ情報の発信の現実 ほか Chapter6 ヒトとクマの共存への提言 ・欧米でも続く「クマと共存」への模 ・北米に見る人とクマの共存モデル ・共に生きる未来への提言1 科学的ゾーニング管理の導入 ほか 【監修者】小池伸介 1979年、名古屋市生まれ。東京農工大学大学院農学研究院教授。東京農工大学大学院連合農学研究科修了。博士(農学)。専門は生態学。主な研究対象は、森林生態系における生物間相互作用、ツキノワグマの生物学など。現在は、東京都奥多摩、栃木県、群馬県の足尾・日光山地、神奈川県丹沢山地などにおいてツキノワグマの生態や森林での生き物同士の関係を研究している。著書に『クマが樹に登ると』(東海大学出版部)、『わたしのクマ研究』(さ・え・ら書房)、『ツキノワグマのすべて』(文一総合出版)、『ある日、森の中でクマさんのウンコに出会ったら』(辰巳出版)、『タネまく動物』(編著、文一総合出版)など。2024年よりNGO日本クマネットワークの代表も務める。
- 出版社
- (株)昭文社
- ISBN
- 9784398147929
