
産学連携と科学の堕落
大学が企業の論理に組み込まれていく。それは「儲かる」ものにしか目が向かず、「人々のために」といった科学は切り捨てられる。大学が金まみれになっていく現状を報告。 【ラルフ・ネーダーによる序文より】:自由な意思を持った科学者が足りなかったために生じた、助けを求める人々が無視されたり不正義が行われた事例の一覧表は長いものである。タバコ、製造物の安全性、環境汚染、職場での有害物質、成人・子供向けを問わず薬の有効性と安全性といった分野において、私は四〇年以上にわたって大学の科学者に参加してもらうことに難しさを経験してきた。企業が個々人に制裁を加えることができるような雰囲気のもと、大学ではそのような人材のプールが貧弱になってきている。彼らの仕事は死亡、怪我、疾病を減らすことである。このような科学者が少なくなることは危険な製品や技術を予想し未然に防ぐ能力が減退することを意味している。 安全性、燃費、排気ガスの分野での自動車技術の進歩の停滞はこの一例である。多年にわたり、死亡や疾病の数は増えているのに、大学にとっての利益は沈黙、自重、研究テーマの偏向であった。そうすることで、実業界とその経営者となっている影響力ある卒業生を怒らせないでいたのである。
- 出版社
- 海鳴社
- 発売日
- 2006-05-31
- ページ数
- 280ページ
- ISBN
- 9784875252320
