
社会保険の構造分析
本書は,これまでほとんど顧みられることのなかった「社会保険」という制度概念の探求とその豊富化を行うものであり,わが国の社会保障政策とそれをめぐる理論状況に一石を投じようとするものである。 わが国の社会保障制度の充実は,20世紀の経済成長によるところが大きいが,これを可能にしたのが被用者保険制度の存在であることは,国民の基礎教養として共有されていない。 筆者の社会保障法研究は,大学院以来,すでに20年を経ようとしている。その大きな柱は,制度概念としての「社会保険」の探求であり,『医療保険の基本構造——ドイツ疾病保険制度史研究』を1997年に北海道大学図書刊行会より上梓した後も,折りにふれて研究業績を地道に発表し続けてきた。本書は,これまでの未発表論文と加筆修正を経た公表論文をまとめることにより,筆者の「社会保険」研究の集大成をねらうものであり,これを出版して世に問うことの意義は限りなく大きいと考える。(本書序章 より) 本書は、著者が生前に北海道大学法学研究科研究選書の1冊として出版すべく、準備を進めていたもので、亡くなる直前まで構成と収録論文についての推敲を行っておりました。それらをもとに、加藤智章先生(北海道大学大学院法学研究科教授)と菊池馨実先生(早稲田大学大学院法学学術院教授)の手により編集作業をすすめ、このたび刊行のはこびとなりました。
- 出版社
- 北海道大学出版会
- 発売日
- 2009-12-25
- ページ数
- 386ページ
- ISBN
- 9784832967151
