
シモーヌ・ヴェイユの詩学
「労働者に必要なのは、パンでもバターでもなく、美であり、詩である」(シモーヌ・ヴェイユ) ▼本書は、美学・詩学の視点からシモーヌ・ヴェイユの思想を体系的に論じ、その真髄を明らかにするものである。自らの「工場生活の経験」(1934-35年)を遠景にもちつつ発語された 「労働者に必要なのは、パンでもバターでもなく、美であり、詩である」 というヴェイユの言葉は、社会科学と美学・詩学との連続性を問うものであり、本書は、「見える世界」 が極度に重んじられる現代にあって、「見えない世界」 が根をもってはじめて 「見える世界」 が豊かに花開くことを提示する。 ▼また、本書ではヴェイユの哲学が、デカルト哲学を基底にしていることに着目し、カントのみならず、デカルトがどのようにしてプラトニズムと結びつき、ヴェイユの思想を開花させたのかを体系的に論じる。一方で、ヴェイユの思想を現実の状況に照らして問い直し、また日本思想(鈴木大拙、西田幾多郎)とのつながりにも言及するなど、アクチュアルな論考。
- 出版社
- 慶應義塾大学出版会
- 発売日
- 2010-06-19
- ページ数
- 430ページ
- ISBN
- 9784766417289
