
死すべきものの自由
「人間だけが死ぬことができる」。あまりにも有名なハイデガーの命題だが、その問題意識については、これまで曖昧な解釈にゆだねられてきた。人間を本質規定する「死すべきもの」というあり方に、形而上学が長く覆い隠してきた「生命の論理」を探り出すことが、ハイデガーの真の狙いであった。存在、力、時間という各論点をめぐって、形而上学との対決のなかで明らかにされるその論理(ロゴス)は、最終的に人間の「言葉」の可能性を説明するだろう。人間と動物、人間と神という差異へのまなざしのうちに、「言葉をもって生きるもの(ゾーオン・ロゴン・エコン)」の「自由」を、〈生命性〉の次元に捉えようとするハイデガーの「生命の思考」の展開が、テクストの詳細な読解を通じて明らかにされる。
- 出版社
- 東北大学出版会
- 発売日
- 2011-12-01
- ページ数
- 206ページ
- ISBN
- 9784861631764
