
戦うことに意味はあるのか
この世界に生まれ落ちたのは、誰にとっても偶さかのことである。他でもありえたのに、なぜかこうして生きるわれわれが、その世界で自分と戦い、他人と戦い、あるいは超越者とさえ戦う。社会や技術、物と戦うこともある。 これらの戦いなしに、われわれは偶さかの生を祝することはできないのか? われわれ人間は、戦いから逃れえないのか……。 本書でとりあげた哲学者や作家、作品からの問いである。 読者のみなさんが、各章の執筆者たちとともに、それらの問いをみずから吟味してくれたとすれば、執筆者一同、これ以上の喜びはない。 * 常磐線が走る初秋の福島沿岸を表紙絵にした本書『戦うことに意味はあるのか――倫理学的横断への試み――』は、福島県夜ノ森駅の桜が表紙絵の前作『生きることに意味はあるのか――現象学的倫理学への試み――』につづく、政治哲学論集である。 死すべき人間たちがひとときをこの世界に住まうその仕方(=エートス)を問う学知が「倫理学」だとすれば、その観点から「真・善・美・正」を問う四部作構想の一つを占めるのが、本書と前作であった。それぞれ「正」と「善」にかかわる。 福島の「春・夏・秋・冬」を描いた松本忠氏の鉄道絵画とともに、四部作の一つ一つをご高覧いただきたい。
- 出版社
- 弘前大学出版会
- 発売日
- 2017-03-31
- ページ数
- 382ページ
- ISBN
- 9784907192471
