
時がうねる
◆俳句と思索 加藤楸邨に師事し、ひたすら楸邨のみをみつめて句作をしつづけてきた俳人・上田睦子の句文集。俳誌「寒雷」と同人誌「島」に掲載したものを中心に収録。広やかな視座と手垢のつかない言葉によって俳句を思索する。 雪ふりつむ書なき書架にはひろびろと 睦子 手を垂れ、しかもひらいたままで対象を持たねばならぬ。何故なら手に触れ、胸に抱きとることによる所有は、おそらくその影が肌に落ちるほどの触れあいにしろ、必ずや滅びにいたるからである。(本文より) * 素朴にやわらかに見、歩き、生きたい。見ることが対象を己が寸法で切りとることでなく、逆に傷を負うことでありたい。その傷が私の中で成熟し、形をとって現れ、定着する。それが私の俳句であってほしいと願う。(著者) 五月の指がまつさをな港をわたる
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2021-05-08
- ISBN
- 9784781413419
