遠くの敵や硝子を
夜をください そうでなければ永遠に冷たい洗濯物をください 短歌はわたしではなく世界を震わせるのか。 この歌集を読んで、初めてそう思った。 世界が震え、震える世界の中にいるわたしが共鳴する。 そうか、そうだったんだ。 ――金原瑞人 【五首選】 わたくしが復讐と呼ぶきらめきが通り雨くぐり抜けて翡翠(かわせみ) 灯のもとにひらく昼顔おなじ歌を恍惚としてまた繰りかえす 水仙と盗聴、わたしが傾くとわたしを巡るわずかなる水 つばさの端のかすめるような口づけが冬の私を名づけて去った 神を信じずましてあなたを信じずにいくらでも雪を殺せる右手
- 出版社
- 書肆侃侃房
- 発売日
- 2018-10-17
- ISBN
- 9784863853379
