
わたしの家 痕跡としての住まい
ヴァルター・ベンヤミンは、近代化以降、「家」もしくは「室内」は、その人らしさ を映し出す「痕跡」であると言っている。どんなに乱雑な部屋でも、あるいはあ る一つの趣味に統一された室内でも、最小限のスペースしかない家であろうと も、家からはそこに住まう人が見えてくる。最小限の家コルビュジエの南仏の小 屋。書物を読み書くことを優先させた荷風の偏奇館。放浪作家、林芙美子の終 の棲家……。デザイナーや作家の家などの家を例にとりながら、人と家との関 係について探っていく。 また21世紀となり、私たちはもう一つの室内ともいえるコンピュータを手にし た。そのバーチャルな私的空間も、あらたな私の痕跡である。私だけの守られ た場所にいながら、私たちは世界中ともアクセスすることができる、技術の変 化とともに、変わっていく「私」の領域。その痕跡についても考える。人にとって 居場所、家、部屋とはなんなのだろうか。人は家に何を求めるのだろうか。その ことを歴史的に捉えなおしたのが本書である。
- 出版社
- 亜紀書房
- 発売日
- 2013-03-12
- ページ数
- 320ページ
- ISBN
- 9784750513034
