
ユーラシア漂泊
何が人を放浪や漂泊につき動かすのか? さすらいのバックパッカー68歳の自由と虚無、そして再会と別れ。精彩あるタッチで描いた旅情が読む人のこころに響く。 極北ラップランドにおける厳冬のトナカイ狩りや北欧ジプシーとの暮らし、それらの体験記で名をはせたバックパッカー、22年ぶりの書き下ろし。 (本文より)イコン画がたくさんある。これらの絵には、画家の署名がない。描くことが、祈りだ。わたしの旅も、 何かへの祈りかもしれないとふと思う。旅が困難であればあるほど、この身が浄められるような気分になること がある。自分の生きてきた足跡があまりにろくでもないので、肉体的な辛さを罪ほろぼしのように感じるのかも しれない。身勝手な自由と解放の感覚、それも悪くない。 しかし神をもたないわたしの場合、祈りの旅の先に見えてくるのは死しかない。そしてだれとも分からない無記名の墓標の男の死も、けっして悪いものじゃない。
- 出版社
- 青灯社
- 発売日
- 2009-07-08
- ISBN
- 9784862280329
