柚子の花咲く
ひとはなぜ傷つけあうのだろう。 どうしてなのですか。先生──。 一人の武士の遺骸が河岸で発見された。 殺されたのは村塾の教師・梶与五郎。 村塾とは、武士、町人、農民が一緒に勉強する、郷学と言われる場。 与五郎は貧しい子どもに自分の弁当を与えて、いつも自分はお腹を鳴らしているような男だった。 しかし、無惨な遺体で発見された後、なぜか急に梶にまつわる悪い噂がささやかれるようになり、汚名を着せられてしまう。 恩師の死は、本当に不面目なものだったのか? かつての教え子、日坂藩士の筒井恭平は、死の真相を探るべく鵜ノ島藩に決死の潜入を試みる。 胸震わせる傑作時代小説! 解説・江上剛 「先生がよく言っておられたことを覚えているか」 「なんだ」 「桃栗三年、柿八年──」 「柚子は九年で花が咲く、か」 「梨の大馬鹿十八年とも言われたぞ」 ──本文より
- 出版社
- 文藝春秋
- 発売日
- 2026-06-01
- ISBN
- 9784167925246
