幕末維新期民衆の自治と運動
近世中期から明治維新期までの熊本藩領域をフィールドに、日常的な合議に基づく中間層の政治的活動の実態を明らかにし、その上で、このシステムを解体した明治三年藩政改革の真の意図を追究する。 熊本藩領では、近世中期以降、村庄屋や惣庄屋たちの集団化が進み、彼らが合議を積み重ねて民政を実施する慣行が定着していった。彼らは、領主権力による「支配」の忠実な実践者である一方、その「支配」が地域社会の秩序を混乱させる事態に対しては、痛烈な藩政批判を行う存在でもあったーー。 「自治」と「運動」の最前線に立ち続けた政治的中間層を主軸として、民政の視点から明治維新を問い直そうとする意欲作。 【カバー写真】 中道橋(熊本県上益城郡御船町、本書第一部第六章参照) 撮影・写真提供 表:上塚寿朗氏、裏:山尾敏孝氏 ■目次 序章 第一部 幕末維新期熊本藩の地方役人と地域社会 第一章 幕末維新期熊本藩の地方役人と郷士 第二章 維新変革期における民政と民衆 第三章 幕末維新期熊本藩の「在地合議体制」と政策形成 第四章 幕末維新期熊本藩の惣庄屋集団と維新変革 第五章 近世後期熊本藩領社会における村庄屋集団の役割 補論 熊本藩領社会を「領国地域社会論」から見つめ直す 第六章 往還と舟運による地域運営 -“中道橋”保存のための覚書を兼ねてー 第二部 熊本藩明治三年藩政改革とその社会的影響 第一章 熊本藩明治三年藩政改革の再検討 -新出の道家家文書を手がかりにー 第二章 熊本藩明治三年藩政改革と安場保和 第三章 一九世紀の藩社会と民衆意識 -「肥後の維新」考ー 第四章 熊本藩郷士・赤星伊兵衛論 -「平均」という社会変革論ー 終章
- 出版社
- 小さ子社
- 発売日
- 2025-06-25
- ページ数
- 506ページ
- ISBN
- 9784909782267
