
ファシリテーター・教員におくる個別課題に挑む多様性教育
多様性教育は、日本の人権教育の弱みを乗り越えるものです。日本における人権教育の取りくみは、情緒的・道徳的・慈善的といった傾向があるといわれます。優しさや思いやりで差別をなくそうとする傾向です。本来の人権教育は、優しさや思いやりではなく、政府の責任によって差別をなくし、さまざまな抑圧を解消していこうとするものです。日本では、人権教育が道徳教育の心理主義や心がけ主義に引っ張られています。そのために、個々人の気のもちようで差別も解決できるかのような傾向から抜けられません。その結果、差別に象徴される社会のあり方と自分との関わりを考える傾向が弱く、他人事で終わって、確かな知識や行動力が育ちにくいのです。 多様性教育はそうした傾向を乗り越え、自分から出発して世の中の差別を見抜く力を培い、差別に立ち向かう行動力を育むための論理と具体的な学習活動をもっています。仮に自分が被差別の立場にないとしても、自分に関わることとして差別問題などを受けとめ、行動力につなぐことができるのです。 本書は、個別の人権課題について、上記のような多様性教育の考え方を適用しようとする書籍です。教育の理論だけではなく、学習を深めるための具体的な視点やアクティビティ(学習活動)を提案しています。それらは、さまざまな課題について考えヒントにもなることでしょう。
- 出版社
- 解放出版社
- 発売日
- 2026-09-18
- ページ数
- 176ページ
- ISBN
- 9784759221787
