源氏物語の話声と表現世界
『源氏物語』は、書かれた言葉によってこの世に存在している。その言葉は、物語中の随所で、複雑にしてゆたかな意味を生成しているが、同時にそれは、単なる書き言葉ではなく、作中人物の発言あるいは心中の言葉、さらに物語を口頭で伝える人、それを書き取る人、書かれた言葉を書き写す人、編纂する人、……等々のさまざまな声が重なりあっている言葉として、異彩を放っているようにおもわれる。 それらのさまざまな声=「話声」から、『源氏物語』の言葉の魅力と特質とを解き明かしてゆく。 *本書は2004年刊行の『源氏物語の話声と表現世界』(ISBN:978-4-585-03123-9)の新装版です。 はしがき 凡 例 序 章 『源氏物語』の言葉といかに向きあうか 1 『源氏物語』の話声 第一章 作中人物の話声と〈語り手〉-重なりあう話声の様相ー 第二章 『源氏物語』古注釈における本文区分ー『光源氏物語抄』を中心にー 第三章 『源氏物語』の〈語り〉の本性ー作中人物どうしの話声の重なりあいー 第四章 女房の話声とその機能ー「末摘花」巻の大輔命婦の場合ー 第五章 〈語り手〉の待遇意識ー貴公子に対する待遇表現ー 2 光源氏をめぐる〈語り〉-第二部とその前後ー 第六章 光源氏をもどく鬚黒ー出来損ないの〈色好み〉が拓く物語世界ー 第七章 六条院世界をみつめる明石の君ー明石の尼君の待遇表現の分析からー 第八章 秋好中宮と光源氏ー第二部における二人の関係性をめぐってー 第九章 六条御息所の死霊と光源氏の罪ー死霊の語った言葉の分析からー 第十章 「柏木・女三の宮事件」後の〈語り〉-薫誕生と女房たちの沈黙ー 第十一章 光源氏の最後の「光」-「幻」巻論ー 第十二章 「光源氏の物語」としての「匂宮三帖」-「光隠れたまひにしのち」の世界ー 3 『源氏物語』の話声と〈書く〉ことー物語世界を超えてー 第十三章 紫式部という物語作家ー物語文学と署名ー 第十四章 物語作家と書写行為ー『紫式部日記』の示唆するものー 第十五章 『源氏物語』と書写行為ー書写者の話声ー 第十六章 『源氏物語』と唐代伝奇ー物語伝承の仮構の方法ー 第十七章 『源氏物語』のヘテロフォニーー重なりあう話声と〈読む〉ことー 初出一覧
- 出版社
- 勉誠社
- 発売日
- 2025-10-01
- ISBN
- 9784585390558
