
兵士たちに刻まれた日露戦争
日露戦争を生きた名もなき兵士たちの、記し、学び、語った記録。将兵たちの日記には、戦場の喧騒だけでなく、静かな読書の時間、語学への向学心、家族や郷里への思慕の念が綴られていた。「砲声の下、語学を学び、医術を究める」-それは、死と隣り合わせの中でも「生きようとする意志」に他ならない。201例の従軍日記を丹念に読み解いた本書は、近代日本が経験した最大の戦争の裏側で息づく“兵士のまなざし”を現代に甦らせる。 【目次】 はじめに 第一章 日露戦争をめぐる世界と日本 一 東アジアの情勢は緊迫 二 日本国内の動き 三 日本軍の組織編制 四 兵役の義務と軍隊の制度 五 日本軍の軍備 六 一方のロシア軍の軍備 七 まとめ コラム 軍隊と社会との関係 第二章 従軍日記の価値 一 日記の資料としての価値とは? 二 日記が原本かどうかの問題 三 日記が公開されているかどうかの問題 四 従軍日記を定義付けする 五 将兵にとって日記を書く意味とは? 六 まとめ 第三章 蒐集した二〇一例の従軍日記 一 日記蒐集の先行研究 二 筆者がどのように日記を蒐集したのか? 三 従軍日記の魅力 四 日記の著者を各種別に比較してみる 五 日記の著者を陸軍兵卒に限定し、素顔に迫る 六 陸軍兵卒以外の将兵の素顔 七 まとめ 第四章 従軍日記に見る日露戦争の経緯 一 戦争の経緯 二 日記に見る従軍体験 三 日記に見る沙河会戦万宝山戦の実態 四 まとめ 第五章 従軍日記から見た軍の組織 一 軍の組織 二 指揮命令系統は機能したか? 三 組織と人事 四 組織のなかの人間関係 五 まとめ 第六章 従軍日記から見た軍の管理体制 一 軍の管理体制への取り組み 二 糧食・衣糧など給養全般 三 医療・衛生全般 四 情報管理は適切に行われたのか? 五 法務は機能したか? 六 将兵の講和に対する想い 七 まとめ コラム 脚気について 第七章 従軍日記から見た国際法への取り組みと対外認識 一 軍の国際法への取り組み 二 国際法は文明国の一員の証明 三 戦場は住民が暮らす清韓国内 四 多くのロシア軍捕虜と少数の日本軍捕虜 五 欧米人の眼を意識 六 まとめ コラム 国際法違反 第八章 従軍日記とメディア 一 近代の戦争はメディアの発達と軌…
- 出版社
- 芙蓉書房出版
- 発売日
- 2025-10-10
- ページ数
- 600ページ
- ISBN
- 9784829509111
