
ジオノ作品の舞台を訪ねて
小説で描かれた場所に行けば、作品の秘密が分かる というわけではない。だが、ジオノがさまざまな土地を 利用したのは、その土地が醸し出す雰囲気が 物語の情景に打ってつけだ、と考えたからだろう。 ジャン・ジオノ(1895―1970)は生涯を 南仏マノスクで暮らした。 マノスクはオート=プロヴァンス県の最南端に位置して いるため「プロヴァンス」と称されることもあるが、 地中海岸のマルセイユやアルルのような町とは 大きく異なっている。 「ばかげたプロヴァンス人像をでっちあげて ほしくないのです。法螺吹きで、ペタンク好きで、 パスチス愛飲家というプロヴァンス人はたしかに存在します。 しかし、そういう人間は少数派なのです。 そういう人物像をあまり強調してほしくありません。 注目すべきはもっと別の人物像です。 もっとラテン的で、もっと人間的で、もっと謎めいた プロヴァンス人なのです。 そういう人物はバス= プロヴァンスより オート= プロヴァンスにはるかに多くいるということを 私は知っていますが、バス= プロヴァンスでも、 そうした人物はやはり見かけられます。 彼らは見かけよりずっと頑健です。 ……プロヴァンス人なら、自分の故郷をもっと高尚に 解釈し、もっと正当に解釈する必要があります。そして、 プロヴァンスをはるかに正当に評価するようになれば、 プロヴァンスは高尚なのだという解釈が 生まれてくることになるのです」(ジオノ談) 村や町、そして高原を訪ね、景色を眺め、大気に接する と作品が身近に感じられます。 実際にはプロヴァンスまで行けない方に ジオノ作品の引用や写真を見て楽しんでいただいて、 いずれ現地に行っていただければと思います。
- 出版社
- 彩流社
- 発売日
- 2017-05-10
- ページ数
- 272ページ
- ISBN
- 9784779123238
