
開落去来
◆第四句集 「歳時記」に季題として登場する鳥も獣も蟲も魚も、さらには花も木も草も、われわれ人間とまったく同格に生まれ、生き、死んで行く。彼ら、言わば、この限りある小さな「地球号」に同乗する「仲間たち」を、良く見、聞き、知り、「あはれ」と感じ、讃美することが、我々の彼らへの礼儀であり、仁義なのではあるまいか。そこにこそ「花鳥諷詠」の根本的な立場があるのだと私は確信する。 (あとがきより) ◆自選十六句より 鰰の山を鰰滑り落つ 明日知れぬとは蛇穴を出づるにも 按ずるに「みや」と啼くゆゑ都鳥 ぶつかつてばかりのそいつ蟻の道 すつぽんの狸貌なる水の秋 門灯や今宵歌留多の客迎へ 里山のおしるこ色に芽吹くかな 椿寿忌の大をなしたる小躯かな 老人に菊花展あり昼酒あり つぎゝと飛魚を蹴り出す舳かな
- 出版社
- ふらんす堂
- 発売日
- 2016-08-08
- ページ数
- 192ページ
- ISBN
- 9784781408897
