空海
自然観、無限と有限、対立と融合、自と他。さらには教育理念、国家観。そして生と死……。弘法大師・空海の先駆的な思想を、密教研究の第一人者で、みずからも高野山に暮らす著者が、空海の書き記した多くの書物、手紙などをもとに多角的に解き明かす。ロングセラー『密教』『高野山』に続く、第三弾 一 果てしない宇宙と有限世界 宇宙からの光 宇宙の根源と?がる声・音 無限と有限の世界 仏道修行のカリキュラム 仏教の中での禅定 インド密教の流れ 瑜伽に還る 二 自然観 密教宣布の開始 修禅の願い 高野山に籠る 俗事を避ける なぜ、深山に籠るのか 山籠りの楽しさ 宝玉を抱いての山籠りはなぜか 大自然に仏の教えが潜む 天地は経典の箱 三 対立と融合 二元の対立 凡夫が仏であると気づく 即身成仏 金胎は対か不二か 個と全体 自・仏・衆生の三心 三種世間と六大説 空海の願文にみる成仏の願い 物にいのちを認める 四 自と他 他者と接する 教判 多元的な価値観 包摂と純化 智と理 師との出遇い 密教の相承 許しを願う 僧尼の堕落について 心と環境 五 読み替え 深い意味の読み込み 文字の読み替え 文章の読み替え 思想の読み替え 六 仏陀の説法 仏陀が語る 真理を仏とする 仏の三身 密教の仏身観 もう一つの四身説 真理が法を説く証拠 法身の説法を受け止める 七 教育理念 綜芸種智院の開設 教育環境 教育内容 教授の招請 教育資金 日本仏教からの提言 混迷の時代の日本仏教の役割 生きものの相互関連性 多元的な価値観 社会奉仕活動 八 国家と民衆 国を護るということ インドにおける護国思想 中国における護国思想 空海と王権 空海と天皇との交流 四恩説の再検討 宇宙的なひろがりをもつ恩 九 生死観 空海に見る生と死 鬼神がもたらす死 悪鬼の排除 無常の教え 成仏への道 智泉の死 他界浄土 生死の苦からの離脱 精霊の成仏 自身の病気に際して 十 入定信仰 入定とは 高野山で生涯を閉じる 入定留身説 宗教的な伝承の意味 阿字のふるさとに還る 永遠に続く衆生救済の活動 あとがき 主要参考文献 索引
- 出版社
- 岩波書店
- 発売日
- 2022-06-01
- ISBN
- 9784004319337